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高原淳プロフィール
高原 淳
1961年北海道帯広生まれ 大阪芸術大学写真学科卒 雑誌・広告を中心にフォトグラファーとして活動 2000年帯広にUターン 2001年、ソーゴー印刷(株)代表取締役就任 2004年、雑誌「northern style スロウ」創刊を機に写真活動を再開 主な写真展 1985年「COMME JE SUIS」(6人展、Gallery・DOT) 1988年「再生」以来、Gallery・DOT(京都)にて定期的に個展開催 ・2005年10月「記憶の中の風景」(Gallery・DOT) ・2006年3月「記憶の中の風景」(弘文堂画廊) ・2007年11月「記憶の中の風景」(Gallery・DOT) ・2009年8月「スロウ20号記念展」(ファインアート器野) ・2010年5月「スロウなまなざし」(Gallery・DOT) ◎月刊しゅん http://shun.tv ◎しゅんプラス http://shun-plus.com ◎northern style スロウ http://www.n-slow.com ◎クナマガ日記 http://www.n-slow.com/blog/index.php ◎ソーゴー印刷 http://www.sogo-printing.com ライフログ
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朝5時起床。6時半から遠野の町を歩きながら撮影。しばらく町歩きをしていなかったな・・・。感覚がつかめてくるまで、少し時間がかかった。30分ほどしてから、おもしろい被写体を発見できるようになってきた。遠野では「萬」という文字が目に付く。歩いていくと「亀の湯」という銭湯を発見。外壁に亀があしらわれている。さらにあるくと「こづち」という名の店があり、打ち出の小槌が描かれていた。おもしろい・・・。8時朝食。8時50分出発。途中1件撮影してから釜石市役所へ。ここで今回の仕事全体のミーティング。昼食を一緒に・・・ということになり、海沿いのカフェへ。もちろん津波の被害を受けたところだが、2階を改装し営業していた。こんなカフェ、僕はまったく知らなかった。すごい立地条件。そして料理はおいしかった。さらに、道民の僕らには知る由もない場所に案内していただき、そこで取材・撮影を行った。しかも、その場所は帯広とも関係が深いという。
ここからまた長距離移動。盛岡方面を目指す。途中から雨が降ってきた。しかも本降り。夕方になってから目的地に到着。カフェの取材。これがまた「スロウなカフェ」的なところ。アポなしだが取材に応じていただき、必要なカットをすべて撮影することができた。宿は八幡平。1時間半ほど走ったところ。6時半頃到着。ここでもその場で取材の申し出をし、無事了解をいただいた。ラッキーというだけではなく、出会う人すべて親切な方々ばかりだった。そして、ここは驚くほど僕らの取材したいと思う宿の条件を満たしていた。ふだん各地を出張し、「こうだったらいいのに・・・」と思うことが度々だが、それらがすべて整っている。ビックリした。夕食後、8時過ぎから取材&撮影。9時半頃終了。温泉に入って、部屋で調査活動。0時半まで調べものをした。 昨日はいずれもセンスのいい方々を取材することができました。なにをもって「いいセンス」というのでしょう? 僕の定義では「財力に頼らなくても、自分の思想・哲学を形に表すことのができること」。センスのいい人にはそれがきっとできる。つまり、自分の実現させたいものが何なのか、はっきりわかっていて、余計なところにお金をかけないわけですね。だから、無駄がない。シンプルで心地よい。フィーリングの合う人にとっては、余計な緊張感を感じることなくリラックスできるのです。 こういう感覚を僕らも身につけたいものです。たぶん、我が社で働いている人たちはそうした世界を実現させたいと思っているはず。僕らの価値観は「豪華」ではなく、「心地よさ」であったり「フレンドリー」であったりします。それを実現させるにはセンスが必要なのだと思います。お客様は何をほしいと思っているのか? それをリクエストされるまで待つのではなく、先に気づくことが大切だし、さらにお客様の気づいていない潜在ニーズにまで先回りして気づくことができるようになるべきでしょう。先回りして気づくためには、「顧客視点」というだけではなく、もっとセンスを磨く必要がありそうです。たぶん、自分が顧客になりきることが超顧客視点を持つためには不可欠です。自分が自社の客になってみればいいということです。 僕はソーゴー印刷に入社する前、ソーゴー印刷の一顧客でした。いっぱい気づくことがありました。そのうちいくつかは改善され、いくつかはそのまま問題点として残っています。まだまだセンスを磨かねばなりません。僕も道半ばです。 宿泊業という業態は、究極のセンスを求められる仕事かもしれません。いろんな要素が詰まっている。そのうちひとつでも不満足を生んでしまうと、宿泊客は不満足感を抱いたまま翌朝出発することになる。旅全体がイマイチなものになってしまうかもしれません。 これは至れり尽くせりのサービスがいいという意味ではありません。顧客ニーズは人によって異なるものです。顧客ターゲットが明確に設定されていて、そのゾーンにいる人たちにとっての居心地のよさを追求すればよいわけです。ソーン外の顧客は間違ってやってきた人以外来ませんから、他の客からストレスを与えられる心配もありません。 異業種から学ぶことはいっぱいあります。僕も取材活動を通じて日々学んでいます。お客様に対してどのようにリラックスしてもらうか(逆にいうと、いかにストレスを与えないか)? この点については、宿泊業の方々から見習う点が山ほどありますね。出発まで1時間あまり。もうひと勉強したいと思います。 ▲
by sogopt
| 2013-10-31 07:33
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朝3時起床。4時半出発。6時45分頃千歳空港に到着。7時50分発仙台行きの便に乗る。9時到着。震災後、東北を訪ねるのはこれが初めて。10時半、仙台市内のS社を訪問。我が社に業態が似ていて、規模が大きい。勉強になった。東北の見所を教えていただく。昼食は取材をかねて、サケとカキ。どちらも北海道の名産だが、料理の仕方が違う。素材は同じでも時わいは異なる。ここがおもしろいところかもしれない。午後は海岸沿いの撮影。だが、この時点で泊まる宿が決まっていない。何とかなると思いながらも、少しずつ焦燥感が。電話をかけまくるが、どこも満室との返事。インターネットで遠野の宿を予約できた。8時到着。夕食後、大まかなルートを決め、宿を予約しまくる。たぶん取材対象となるはず。0時半就寝。長い一日だった。 東北と北海道。日本の中では北に位置していますから、共通点も多いはず。けれども、北海道とは違った歴史、風土、文化。道東と道南でも違いを感じるくらいですから、東北は道民にとってエキゾチックな場所といえましょう。距離的に近いがゆえに、その違いに興味を抱くはずです。 さっき発見したのは、腰折屋根でした。腰折屋根。マンサードとかギャンブレルとかキング式といったバリエーションがありますが、ここ遠野の腰折屋根はそれらいずれとも異なるユニークなもの。傾斜角度がずいぶん急です。85度くらいありそう。そして、トタン屋根ばかりではなく、瓦屋根もありました。ずいぶん立派なつくりです。 似ているが、よく見るとずいぶん違っている。こうした共通点と相違点を見つける旅はテーマとしておもしろそうですね。テーマというより、僕らは普段から無意識のうちにそれを行っています。自分と他人の共通点と相違点をこと細かく比較検討している。そして好感を持ったり、反感を抱いたりしているのでしょう。また、それを無意識に行うのではなく、意識化することによって、相手に対する反感がやわらぎ、人間としての幅が広がっていくはずです。共通点に対しては共感を、相違点に対しては好奇心を持つべきですね。 違っているということは、自分が持っていない能力や感性がそこにあるということです。たぶん、自分を成長させてくれるヒントがそこに隠されている。それを求め人は旅に出るのでしょう。成長意欲の高い人ほど、旅に出たいという欲求が強いかもしれません。現実の旅ばかりではなく、書物や趣味の世界も一種の旅といってよいでしょう。 ただ、 自分との共通点や接点が全くないと、理解不能になってしまいます。相違点から学ぶことができるのは、共通点があってこそ。その意味で、学ぶべき対象として東北はおもしろそうだなと、僕は感じています。帯広からは東京へ行くよりも大変な場所ですが、この機会に深く東北について学びたいと思います。 ▲
by sogopt
| 2013-10-30 09:59
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午前9時半クナウマガジンのミーティング。午前中は短めの原稿や取材準備。午後も校正と準備的な作業。5時半コアコンピタンス委員会。6時半帰宅。出張準備。10時就寝。 僕はしょっちゅう出張しているのですが、必ずといっていいほど忘れ物をします。今年に夏はカメラを忘れて大変な思いをしました。数年前にもありましたね。カメラは持って行ったが、バッテリーが入っていなかったという事件。このときはコンパクトカメラで撮影しました。機材関係はカメラ以外にもいろいろ忘れたような気がしますが、あまり覚えていません。あまりにも頻繁に忘れているからでしょう。機材以外ではヘアブラシを忘れたのが記憶に残っています。このときは「ヘアブラシ、ヒャーブラシ、ハーブラシ・・・ハブラシ」といった感じで、歯ブラシで髪の毛を整えたら、バッチリうまくいきました。 そんなわけで、忘れ物をしないよう、いつも細心の注意を払っていても、やはり忘れ物をします。生まれたときからそうなっているのです。これは僕ばかりではないでしょう。女性よりも男性のほうがその傾向が強い。 男は忘れるようにできているそうです。これは大昔、狩猟採取の時代にそうなったと言われますが、本当かどうか僕にはわかりません。男たちは大昔、狩りに行っていました。狩猟はうまくいくことよりも、失敗することのほうが多かった。すごすごと帰ってくる。きっと肩身の狭い思いをしたことでしょう。しかし、狩りに出かけるときは、マイナスイメージを引きずるわけにはいかない。そこで「忘れる」わけです。 ちゃんとした理由があって忘れるのです。これはワークスタイルが変わった今の時代においても同じ構図になっているはずです。ビジネスではうまくいかないことのほうが多い。自分の思い描いている通りにいかないのが普通なのです。それが当たり前なのだと思えるようにならなければ、よけいなストレスをため込むことになるでしょう。また、忘れることによって、プラスイメージに調整することが可能なのではないかと僕は考えています。 忘却力を持つことが欠かせません。忘却力を強化するには時間がかかるものです。忘却力が記憶力の反対だと思っているうちは、鍛えることはできません。忘却力は言うなれば、パソコンの「ゴミ箱」を空にする能力。覚えている必要のないことを消去する力といえましょう。不要なファイルを消去することで、新しい情報をインプットすることができる。そう考えると、忘却力の大切さが理解できるでしょう。 僕の場合は忘却力があまりにも強化されているものですから、日常生活にも不自由するくらいです。いわば、「忘却の魔術師」。実際、マジックとしか思えないような出来事がしょっちゅう起こります。行方不明になったものが3年後に見つかった…みたいなことが多い。それを不便と考えるか、楽しいと考えるか? 忘却力を考える際は、リフレーミングを行うことも欠かせません。ただ、僕も繰り返し学習してきたためか、決定的な忘れ物は少なくなってきたようです。 ▲
by sogopt
| 2013-10-29 07:34
| 写真
朝8時会社集合。すでに関係者が集まっていた。8時半、帯広の森市民農園サラダ館へ。8時40分、作家・生産者の方々とミーティング。9時頃から準備作業。手慣れている人が多いためか、あっという間にブースができあがっていった。僕は額の微調整だけで45分くらいかかった。10時前、入口にお客様の行列ができていた。
開場すると、サラダ館の2階はお客様でいっぱいの状態になった。駐車場もいっぱい。駐車場係が配置されていたため、混乱はなかった。ベーグルのSEEDさん、パンののんびり屋さん、焼き菓子のアマムエクルさん、原木しいたけの石橋農場さんは完売となった。器や雑貨のほうも売れたようだ。午後2時頃、すこし場内が落ち着いてきたため、僕らも買い物や情報交換等を行う。4時終了。最後まで客足が途絶えることはなく、いい感じでイベントを終えることができた。最後に全員で記念撮影。撤収作業を行い自然解散。僕らも清掃作業を行ってから帰社。6時頃帰宅。9時就寝。 大勢の人が来てくれてよかった・・・というのと、出展していただいた作家・生産者の方々への感謝の気持ちが湧いた一日でした。我が社のスタッフもみんなよく働いてくれました。特に、駐車場や入場者数カウントの係の人は大変だったと思います。しゅんのイベントで鍛えられているためか、いい仕事ぶりでした。 お客様の中にはずいぶん遠方から来られた方がいました。一番の遠方は台湾から来られたスロウ読者の方々。東京や利尻島から来られた方もいたそうです。こうした熱心な読者の方々にスロウは支えられているのだな・・・。今回のイベントでは展示や販売が中心となりましたが、来年の10周年イベントでは読者との交流の場も必要ではないかと感じました。 僕らはずいぶんお客様から支えられていますね。メールやハガキ、FAXなどによって、ちょっとした励ましのメッセージをいただくことがあります。昨日もそのような声をずいぶんいただきました。 僕らはたとえ誰からの支えがなくとも自立するのだ・・・という意気込みで仕事をしています。自立心は必要なもの。しかし、客観的に見ると、やはり誰かからの支えがあって生きているという現実があるものです。個人も組織もそのようにして生かされている。形の上では自立していますが、誰かからの支えがあるからこそ、自分の実力以上の仕事をすることができる・・・。 スロウの読者には、そのようなことを熟知している方が多いのかもしれません。4年前、紀伊國屋書店札幌本店で行ったスロウ20号記念のトークショーのときにも感じました。「支えられている」「育てられている」という感覚。 スロウは大別すると、「読者」「取材先」「流通・販売」「編集部」の四者に分けられると思います。編集部がいい本を作ろうと努力することはもちろんですが、他の三者の支えなしではたぶん成り立たないでしょう。いい内容の本を作るには取材先の協力が不可欠だし、本を販売するには取次や書店の方々の支えが必要となる。そして、当然ながら読者なしには成り立たない。これら四者のコミュニケーション活動が活発化することによって、スロウという媒体は成長していくことになるはずです。 スロウ編集部がイベントを行うのは、情報発信という一方的なものではなく、情報交流によってみんなが豊かになるのではないかという理由からです。交流によって魅力的な考え方や哲学が醸成されていくのです。だから、スロウは“情報誌”という位置づけではありません。また、しゅんは情報誌ですが、情報誌を超える機能を備えつつありますね。いずれも、情報交流によって精神、経済、文化的に豊かになることが、我が社の媒体の目指すところといえます。 こうした活動をするには、スロウくらいの取材・流通エリアがピッタリなのかもしれません。ちょっと無理すれば行くことのできる範囲。そして、「北海道の一員である」というまとまり。その範囲で豊かな生き方・考え方を共有することができるよう、今後もスロウを育てていきたいと思っています。 ![]() ![]() ![]() ▲
by sogopt
| 2013-10-28 06:34
| 我が社
午前10時45分帯広柏葉高校へ。同窓会館「柏友館」のリニューアルオープン。テープカットの場面を撮影。館内には貴重な資料があって意外な人気スポットになりそうだ。我が社の3名のS氏が中心になってまとめた電子アルバムが人気を博していた。昼頃帰宅。午後3時頃出社。昨日に続いて袋詰め作業。さらに額装作業。ふぅ、これで終わりかと思ったら、手提げ袋の取っ手取り付け作業。すごいスピード。取っ手付けはとっても大変だ。それでも7時頃には完了。
「スロウ村の仲間たち2013」会場のサラダ館へ。イベント会場っぽくなっている。しかし、壁面は手つかずの状態。展示作業の大変さは多少なりとも知っている。できるだろうか・・・。考えていても進まないので、ともかく打つべし。展示用にピンを次々打ち込んでいく。次第にペースが上がり、残り10分という声がかかったとき展示作業を終えた。あとは当日の微調整で何とかなりそうだ。10時終了。10時半帰宅。11時半就寝。 作品のディスプレイのために、作家さんが何名か来られていました。さすがに手慣れているためか、いい感じのブースができています。スロウ編集部も他部署からの応援を受けながら、会場づくりやスロウブースの設営を行っていました。スロウグッズもかなり充実しています。 1階会場では今回のイベントに参加いただいた作家や生産者の方々の映像が上映されていました。これは我が社の動画作家T氏が取材・撮影・編集したもの。短期間の間にこれだけの動画を制作するとは・・・。驚きました。見応えがあります。これを一日限りのイベントに上映するだけではもったいない。DVDにするとか、webで配信するとか、どのように生かしていくか考えたいところです。 見物といえば、同じく1階会場に展示されているスロウのバックナンバー。これだけ揃って展示されるのは久しぶり。注目は初期の頃の号。もう、「幻の・・・」と言ってよいでしょう。スロウ第3号も展示されています。僕ですら持っていない。表紙にマジックで「持っていかないでください」と書かれてある。創刊当時、十勝ではスロウはあまり知られておらず、フリーマガジン「月刊しゅん」の知名度は圧倒的でした。だから、スロウもフリーだと勘違いして持って行く人がいたのかもしれません。今ではさすがにそういう人はいないと思いますが・・・。 幻の3号はいったい社内に何冊残っているのだろう? この頃のバックナンバーはほとんど完売という状態です。僕は資料として必要になったときは、M編集長の書棚で立ち読みしています。早期の電子書籍化が待たれます(待っているのは僕だけではないはず)。 あと3時間半ほどでオープンとなりますが、果たしてどれほどのお客様がやってくるのでしょう? 「周辺の道路が渋滞したらどうしよう・・・」といった楽観的な心配と、「会場が閑散としてしまったらどうしよう・・・」という悲観的な心配が入り交じります。イベント前というのはきっとそういうものなのでしょう。新商品の発売前も同じような心境ですが、イベントは一日ではっきり結果が出るからシビアなものですね。 いつの間にか、外が明るくなってきました。今朝は1時間ほど会場で微調整を行います。 ![]() ▲
by sogopt
| 2013-10-27 06:21
| 我が社
出張とイベントの準備に費やした日。午後から夕方にかけてポスターの袋詰めを行った。素敵なポスターなので気持ち的には盛り上がったが、体力的にはきついものがあった。7時頃帰宅。10時就寝。
ここ数日、イベントの準備に大わらわといった感じです。雰囲気としては5年前の「しゅん創刊10周年大感謝祭」開催前に近い。しゅん編集部はこのときが初めての大がかりなイベント。祭を成功させたことによって、次の年からは当たり前のようにイベントを開くようになっていきました。ある種のブレイクスルーがあったのでしょう。 スロウは明日、帯広の森市民農園サラダ館で「スロウ村の仲間たち2013」というイベントを開催します。しゅんのイベントとは別な趣。このため、編集部はほとんど手探り状態で準備しているようです。 一番の違いは、作品・商品を展示販売していただく作家や生産者の多くが十勝管外の方々であるという点ですね。スロウの誌面上で見たことはあっても、実物を目にする機会はきっと少ないでしょう。レアな品々が集まります。何よりも、イベントの趣旨に賛同し、遠方から来ていただく作家・生産者の方々に深く感謝しています。 スロウオリジナルグッズの販売も、コアな読者の方々にとって興味深いかもしれません。僕はB2ポスター6点をつくって力尽きましたが、他にさまざまなものが用意されているようです。詳しく知りたい方は、スロウ編集部のブログ「クナマガ日記」をご覧ください。僕もその全貌を知っているわけではないので、当日どんなものが揃うのか楽しみです。 それにしても、イベント前日になってから気づくことがいっぱいありますね。せっせとイベントのPRをしているつもりではいましたが、肝心のスロウのHPで告知されていないということに今頃気づきました。その分、クナマガ日記とかフェイスブックでは盛んに発信されているのですが・・・。やはり、僕らの思考回路は紙媒体中心にできているのでしょう。昨日は夕方になってから「手提げ袋がない・・・」といった騒ぎもありました。当日にはさらに不備な点が見つかるかもしれません。この点、大目に見えていただけると助かります。 スロウの編集理念は「足元の豊かさに光をあてながら『わくわく北海道』をつくります」というものです。創刊の前年、ちょうど今から10年前にこの理念ができあがりました。かなり時間をかけ、ミーティングを繰り返してできた理念です。ですから、今回のイベントは、雑誌や書籍とは異なる方法で“わくわく北海道”をつくろうという趣旨なんですね。 スロウを読んでいただいている方々なら、きっとスロウ誌面に登場する作家や生産者にも会ってみたい、その作品や生産物を直接手に取ってみたい・・・。そんな思いを持っているはず。僕らも、「この人と話をしたい」とか「この作品の実物を見たい」といった思いから、スロウの取材活動をスタートさせています。取材はいつも非常に楽しく、学びを得ることが多いものです。ですから、それを魅力的な誌面にまとめることに、編集者はある種の使命感を持っているはずです。 今回のイベントは、「スロウに登場した作家・生産者とスロウ読者の方々一堂に集まる場があるといいね・・・」という話から企画がスタートしました。そんな魅力的な方々が集まりますので、明日は間違いなくわくわくするイベントになるに違いありません。もちろん、主催する僕らも準備をしながらわくわくしています。来年の10周年イベントでは、今回、会場や日程の関係でお招きできなかった作家・生産者の方々にも参加いただいて、大がかりなものにできたらいいな・・・と思っています。まずは明日のイベント、数多くの読者の方々にお越しいただくことを願うのみです。 準備作業もいよいよ大詰め。大詰めですが、袋詰め作業がまだ残っているような気がします。 ![]() ▲
by sogopt
| 2013-10-26 08:12
| 我が社
早起きし、1分ほどのフォトムービーを作成。あっという間にできた。すごい時代だ。出社後、T氏に依頼しARにリンクしてもらう。自分でできるようにしたほうがいいな・・・きっと。午前10時、しゅんの撮影。11時帰社。11時半帯広市民ギャラリーへ。午後1時から中堅幹部学校受講生2名とのミーティング。2時半から某プロジェクトのミーティング。4時半、しゅんの撮影。5時半帰社。別なプロジェクトのミーティング。7時過ぎ帰宅。9時就寝。
考えるべきこととすべきことがずいぶんたまっています。僕の机の上がそれを象徴している。片付けなければなりません。 昨日はちょっとした合間の時間を使って、イラスト作品の額装を行いました。僕の写真作品用の額をそのまま使用したのですが、いい感じの仕上がりです。イラストは額に入れると、ぐっと引き立つものですね。これを画廊に展示したならば、買い手が現れるのではなかろうか? 僕の写真よりも売れる可能性は高い。 作品が売れるかどうかはともかく、作品の見せ方は非常に重要です。いい作品でも見せ方がイマイチだと、やはりイマイチな作品のように思われてしまう。これはやむを得ないことです。額装にむやみにお金をかける必要はありませんが、作者の作品に対する愛着度が感じられる程度には手間とコストをかけるべきでしょう。 同じようなことは僕らの日常業務にも当てはまりますね。自社商品に対する愛着度が日常のさまざまな局面に現れるのです。商品サンプルの扱い方であったり、プレゼンの際の見せ方、商品の梱包の仕方・・・。あるいは、自社商品を説明する際の「言葉の選び方」というものもありますね。ちょっとしたところに愛着度が現れる。 消費者の立場で考えると、商品への愛着度が感じられない人からはあまり買おうという気持ちにはならないものです。 スロウの取材でときどき目撃するのは、自分の作品や商品を我が子のように扱っている場面。実際、作品に話しかけたりする人もいます。売り物なのに売るのが惜しいという人もいますね。そのくらい愛着度が高いと、買い手はほしいという気持ちが高まってくる。 これは「一点ものだから」という理由だけではないのです。出版物のように大量生産されるものであっても、愛着心を持って愛情を注ぐ必要がある。やさしく手にとって、ときどきなでてあげたりするべきでしょう。僕は新しい本ができあがると、ページの角に指を当ててつんつんしてみたり、鼻を近づけてにおいをかいでみたりします。これは一種の愛情表現といえます。人によって表現の仕方はずいぶん異なっていて、編集者はそれぞれの方法で本を愛でているようです。 本に限らず、自社商品すべてに対して、その誕生を祝ったり愛でたりすることができれば、きっと我が社の商品は特別な付加価値を持つようになっていくに違いありません。社内では毎日大小さまざまな製品・商品が生み出されています。その中には出版物のように感情移入しやすい商品がある一方、伝票や封筒といった地味な商品も数多くあります。大勢の人から祝ったり愛でたりされにくい商品かもしれません。それでも、きっと印刷や製本や営業担当の人たちの祝福されて、お客様のもとに届けられていることでしょう。 愛着心というものは伝染するものですから、自社商品に対する愛着度を高く持っていると、お客様も同じように我が社の商品を大事に扱ってくれるものです。 印刷物にはその役割を終えて捨てられるものが多いかもしれません。それでも、与えられた使命を果たしてからこの世を去りたいと印刷物は願っているはず。僕らはその意を汲んでよい製品づくりに取り組むことが大事ですし、生み出した商品に愛着心を持ち、たっぷり愛情表現すべきなんですね。 現実には不可能ですが、自社商品を一点一点額装してあげるくらいの気持ちを持つことが大切なのだと思います。 ![]() ▲
by sogopt
| 2013-10-25 05:52
| 我が社
午前10時帯広市民ギャラリーへ。「柏葉同窓生芸術展」のための作品を搬入。A3サイズの作品4点。11時帰社。12時半ホテルノースランドへ。帯広ロータリークラブ例会。2時帰社。スロウのポスター印刷が始まる。刷り出しをチェック。素晴らしい出来映えだ。我が社で「ソーゴーハイビジョン印刷」と呼んでいる印刷方式。通常の網点ではなく、微細なドットで印刷されている。どちらかというとフィルム写真の粒子に近い。ルーペでのぞくとその細かさにビックリする。印画紙に迫るクオリティだ。紙はマットコートを使用。イルフォード(印画紙)のマットに近い質感だと思う。1F工場と2F事務所を行き来しながら、ポスター6点の刷り上がりを確認。あとはイラストレーターで写真展関連の資料を作成。5時半帰宅。7時半就寝。睡眠不足は解消された。
それにしても、ポスター印刷は盛り上がりましたね。これまで「ソーゴーハイビジョン印刷」で刷られた印刷物を何点か見てきましたが、やはり自分の写真で印刷したものだと感動のレベルが異なるものです。印画紙へのプリントに迫るクオリティですから、ディテールのちょっとした気になるところもそのまま再現されている。つまり、フォトショップで入念にデータを作らないと、写真家にとって不本意なポスターになるということです。今回の写真データはバッチリでした。 フォトショップに関しては、8年ほど前、札幌の同業者の技術系の方からアドバイスをいただいたことがあります。デザイナーに向けてのアドバイスでしたが、僕にとって重要な情報がありました。それはCMYKのトーンカーブの調整の仕方。このとき、「あっ、Kはここまで削っていいのだ」とわかったのです。Kというのはスミ(黒)のことですね。 シャドウ部は黒く絞めたいと思うのが人情(?)。印画紙でいえば最高の黒を再現したい。シャドウ部は最高の黒、ハイライトは飛ぶ直前の白。その中でどれだけ豊かに階調を再現するか? 通常はそのように考えると思うのです。このため、スミにもひと働きしてもらうことになるのですが、スミに頼ると濁ったような暗いようなトーンになる。そこでKのトーンカーブを調整する。CMYでシャドウ部を表現するよう心がける。 デザイナーにとっては当たり前の技術なのかもしれませんが、フォトグラファーの僕は知りませんでした。以来、スロウの「記憶の中の風景」の写真データはKを極力絞りつつ、眠くならないように全体を調整しています。 昨日、ポスターの印刷に立ち会ってみて、「こんなにKを減らしていたのか」と驚きました。刷版を見ると、K版だけ画像がわからないほど薄かったのです。しかし、刷り上がったポスターを見るとほどよいトーン、ほどよいコントラストになっている。僕のイメージ通り、イルフォードの印画紙のような仕上がり。ほとんど自画自賛モードに入っていますが、もちろん、印刷技術者K氏の腕によるところが大きい。僕の気づかないレベルの微調整を繰り返しながら、色調を整えてくれていました。 そんなわけで、今回制作したB2ポスターは「スロウ村の仲間たち2013」で展示・販売されることになります。試しにデンマークのオルスコフ社製ポスターハンガーにはさんで、壁に掛けてみました。実にいい感じです。額に入れてもよいでしょう。 ポストカードの印刷もできあがったようです。こちらは写真ではなくイラストのもの。こちらも別な意味でビックリしました。新しく導入されたオンデマンド印刷機で刷られたものなのですが、オフセット印刷と変わらないクオリティ。驚いてオンデマンド機を見に行きました。設置されてからしばらくたつのですが、実はまだ現物を見ていなかったのです。解像度がこれまでのものより明らかにいい。これで写真集を印刷するというのもアリですね。 改めて我が社は印刷会社なのだと痛感する一日でした。それも並ではないな・・・。印刷機械のほうはどんどん進化しています。それゆえに「よいものを見分ける目」を持つ技術者、表現者の存在が欠かせません。印刷会社の差別化、異質化のポイントはここにあるのだと思いました。 ![]() ▲
by sogopt
| 2013-10-24 05:17
| 我が社
午前11時来客。午後2時、ホテルノースランドでミーティング。3時半帰社。スロウ編集会議。6時半、中小企業家同友会とかち支部へ。経営指針研究会。ディスカッションが盛り上がり、終わってみたら10時になっていた。10時半帰社。柏葉同窓会芸術展出品作品の出力をしなければ・・・。だが、なんとインクジェットプリンタの不調。やむなく、作品のセレクトをし直し、手元にある作品を額装することにした。午前1時過ぎ終了。1時半帰宅。2時就寝。
昨日は思わぬところで時間がかかってしまいました。僕は写真展の前になると、いつもこんな感じです。今回は個展ではなく、出品作も4点のみ。だから、何かあっても何とかなる。個展になると少なくとも20点以上作品を用意することとなりますから、かなり青ざめることとなったはずです。ただ、同窓会芸術展の他に、当社のイベント「スロウ村の仲間たち2013」のための展示作品もある。こちらをどうしようか? ヘッドの不調を何とかしなければなりません。 モノクロで個展を開催していた頃は機械の不調を考えるという心配はありませんでした。引き伸ばし機の調整不足で全面シャープにピントが来ないということはありましたが、それも自分でチェックすれば対処できること。アナログの時代は肉体的には大変。けれども、自力でトラブルを解決できる。ここが今の時代とは異なるところといえるでしょう。 考えてみると、写真に限らず、身の回りのあらゆるものがそうなりつつありますね。自力で解決しにくくなっている。パソコンが壊れるとお手上げ状態になる。たぶん、自動車にちょっとした不調が現れても、きっとJAFを呼ぶこととなるでしょう。技術が極限まで進歩すると、それを使う人は自力で修理できなくなる。便利さと引き替えに、何か大事なものを失っているのかもしれません。 自分で使っているものを自分でコントロールできなくなるというのは、かなり不安な状態です。先日、僕の使っているカメラの広角ズームが故障し、3週間くらい修理に出していました。この間の取材ではヒヤリとする場面がありました。超広角気味で撮りたいのに広角系が弱い。結局、壁に頭を押しつけるようにして撮りました。いよいよの場合は複数の写真をつなぎ合わせようと思っていましたが、そうした技は使わずに済みました。 技術の進歩によってある種の不安は解消されます。たとえば、デジカメの時代になって、撮影時の決定的な失敗はほとんど皆無となりました。代わりに、デジカメの時代にはデータの消失という別な不安を持つこととなる。ハードディスクに保存してもハードディスクが壊れたらおしまい。このため、絶えずバックアップをとらなければならない。ここをシステマチックに行わないと、後で大変なこととなる。 ポジフィルムとか印画紙といった現物が存在している時代であればわかりやすいのですが、今はよくわからない磁気とか信号とかによって黒い機械の中に写真が収められている。ときどき、こんなところに自分の大事な写真が何千枚も入っていてよいのだろうか・・・などと考えることがあります。人によっては大事なデザインが入っているでしょうし、大事な顧客名簿が入っていたりするでしょう。 さらに今はクラウドの時代ですから、自分の机まわりではなく、データがどこにあるのかさらにわからない状況となっています。国内にあるのかどうかすら僕にはわかりません。これを不安と感じるのか、不安を通り越して不安すら感じなくなっているのか? クラウドの時代はデータもクラウド上に置かれますが、ユーザーの頭の中にもクラウドが広がっているはずです。 確かなものを取り戻す活動が必要なのかもしれません。自分の作品をデータとして保存するだけではなく、紙媒体に出力する。その必要が今後ますます高まっていくような気がします。かつては印画紙が使われましたが、今はインクジェット用紙。手法は異なるけれど、それでも紙への出力が必要ですね。さらに、最終的な表現手段としての印刷媒体。印刷媒体は大量複製のための手段というだけではなく、作品発表の表現手段として考えてもよいのではないか? 今の僕はそのように思っています。それだけ印刷技術は進化してきました。 僕の目には最新の印刷とインクジェット出力を比べると、印刷のほうが勝っていると感じることがあります。ルーペで見比べても。つまり、印画紙、インクジェット、オフセット印刷の三者は、クオリティという点ではほとんど差がなくなりつつあるのです。これは驚くべき変化といえます。 27日の「スロウ村の仲間たち2013」で展示販売するポスターは、「ソーゴーハイビジョン印刷」という技術で印刷することになりました。どのくらいのクオリティになるのか楽しみです。今日の2時頃から印刷が始まるそうなので、立ち会おうと思っています。その昔、暗室技術を駆使して一点ずつ仕上げてきた写真作品。これとほとんど同レベルのクオリティが我が社の印刷機から生み出されるのでしょうか? 楽しみだが、ちょっと恐い気もしますね。 ![]() ▲
by sogopt
| 2013-10-23 06:42
| 写真
朝7時半出発。津別へ。10時から取材開始。イマジネーションが豊かになるような場所。僕は2度目だが、もっと頻繁に訪れるべきかもしれない。午後は美幌にある工房の取材。撮影は順調に進み、3時半には取材が完了した。K氏と交代で眠りながら帯広に戻る。6時頃帰宅。夕食後帰社。ポスターの出力紙を見る。いい感じだ。安心して帰宅。9時半就寝。
昨日はものづくりについて考える一日となりました。僕らも広い意味ではものづくりを行う一員だと思っています。アート作品や工芸作品とは異なり、印刷物や出版物は大量に生産されるもの。それでもものづくりであることは間違いない。僕の頭の中では、我が社の仕事は製造業とものづくりの中間のようなイメージです。 製造業あるいはものづくり。言葉はどちらでもよいのですが、それぞれ2つのタイプがあります。それは自らの意志で作るのか、発注者の意志で作るのか。昨日の取材では最初の取材は前者、午後からの取材は後者のタイプでした。ものづくりという点では同じでも、意味合いがずいぶん異なってきます。そして、ここに微妙な悩みであるとか葛藤があるのではないかと思います。 我が社も同じような悩みや葛藤を抱えています。印刷業は何百年もの間、受注産業として成り立ってきました。100%受注産業なのだと考えている間は、この問題について悩むことはなかったかもしれません。それが当たり前だと思っていますから。けれども、何かのきっかけで自らの意志でつくる商品が増えていくと、今度は受注仕事のほうにもさまざまな影響が及ぶようになっていく。「この仕事はこうすべきなのではないか?」というものが増えていく。顧客の顕在ニーズに応えればよいというスタンスではなくなる。クリエイティブなマインドがうずうずするようになっていく。 我が社に限らず、印刷会社の多くはそのような葛藤のまっただ中にいるのような気がします。また、そうしたクリエイティビティが顧客からも求められている。しかし、顧客のイメージする成果物と自社のイメージする成果物との間にちょっとした差異がある。その差が顧客にプラスの驚きをもたらすこともあれば、ガッカリさせることもあるかもしれません。したがって、実際に製造する前にちゃんと仕上がりイメージを共有する必要がある。この手間暇に多くのエネルギーを割かなければなりません。今日の受注仕事はここで手を抜くと大変なことになりやすい。 こうした状況にありますから、完全に受注産業に徹し、クリエイティブなことは一切行わないという印刷会社もあります。受け取ったデータを印刷するのみという姿勢。それは非常に合理的にできていますから、価格と品質だけで勝負することができる。ある意味、時流に沿った戦略といえるでしょう。 我が社はその対極にある印刷会社。どんどんクリエイティブな方向へ向かっていっています。しかし、クリエイティビティが求められない種類の印刷物も数多く受注していて、それらは我が社にとって非常に大切な仕事となっています。両極端な世界が社内に混在し、ひとりの人物がその両方を担当することもある。そしてまた、両者の中間ゾーンに位置するような印刷物・出版物もあるわけです。みんなよくやっているなぁと驚嘆することもあります。 僕自身も両極端な世界に片足ずつ突っ込んで仕事をしています。これは今日の印刷業が抱えている悩みや葛藤であると同時に、もしかしたら「楽しみ」であるのかもしれません。というのも、受注する仕事の中には「こんなものづくりのやり方もあったのか」と驚かされるものもあるからです。自分では考えの及ばないようなアイデアに出会うことがある。受注仕事をしていると、たまに経験することがあります。 アイデアが頭の中から泉のごとく湧き出てくる人は自らの意志でものづくりを行うべきなのでしょう。逆に、受注し、他社のアイデアを取り込むことによって、自らのクリエイティビティが触発されるタイプの人もいます。我が社も僕もその中間ゾーンにいるような気がします。だから、常に悩みや葛藤を抱えているものの、それらによって成長することができると考えるべきなのです。 今週は「自らの意志でつくる」ものが僕のメインの仕事です。今日と明日で形にしなければなりません。 ![]() ▲
by sogopt
| 2013-10-22 06:40
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