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高原淳プロフィール
高原 淳
1961年北海道帯広生まれ 大阪芸術大学写真学科卒 雑誌・広告を中心にフォトグラファーとして活動 2000年帯広にUターン 2001年、ソーゴー印刷(株)代表取締役就任 2004年、雑誌「northern style スロウ」創刊を機に写真活動を再開 主な写真展 1985年「COMME JE SUIS」(6人展、Gallery・DOT) 1988年「再生」以来、Gallery・DOT(京都)にて定期的に個展開催 ・2005年10月「記憶の中の風景」(Gallery・DOT) ・2006年3月「記憶の中の風景」(弘文堂画廊) ・2007年11月「記憶の中の風景」(Gallery・DOT) ・2009年8月「スロウ20号記念展」(ファインアート器野) ・2010年5月「スロウなまなざし」(Gallery・DOT) ◎月刊しゅん http://shun.tv ◎しゅんプラス http://shun-plus.com ◎northern style スロウ http://www.n-slow.com ◎クナマガ日記 http://www.n-slow.com/blog/index.php ◎ソーゴー印刷 http://www.sogo-printing.com ライフログ
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午前10時から原稿を書き始め、昼頃いったん完成。インデザインにテキストを流し込む。追加撮影1点。キャプションと見出しを加える。午後4時半、買い物へ。6時帰宅。ちょっとしたお祝いにスパークリングワインを開ける。9時半就寝。
原稿を書いているときの頭って、どういう具合になっているのだろう? いつも不思議に思っています。というのも、僕は理詰めの書き方をするタイプでもなく、しっかり準備するわけでもない。いつも宙ぶらりんなところからスタートする。そんな自分の性格は30年前からよくわかっているので、理詰めで書こうと努力するのですが、計画通りに書けたことはありません。着地点は決めてあることが多いものの、文章の中間部分については、実際に書いてみなければわからないという状態。いったい、みんなどうしているのでしょう? こういう書き方をしているから、社内で文章講座を開いても僕のやり方を実践しようとする人が増えていかないのだろうな・・・。人はみな、わかりやすいやり方、論理的に説明のつく方法に説得される。自分という人間がどんなに矛盾に満ちた存在であっても、外部からのの情報は矛盾なく、合理的なものであってほしいと考える。本当に不思議なものです。 僕の考える魅力的な文章とは、誤解を生みそうな言い方になってしまいますが、部分的に矛盾していても、論理が破綻しかかっていても容認されるような文章のこと。自分という人間は実に矛盾に満ちている。その人間が文章表現するわけですから、どうしても矛盾が文章に表れてしまう。体裁を整えて、矛盾をなくそうとすればするほど、文章の中から人間味が失われていってしまうことになる。 文章の目的によって、どこまで体裁を重視するかが決まります。公的な文章であれば矛盾を極力排除しなければなりません。新聞などの記事も矛盾があっては困りもの。雑誌はどうかというと、編集方針によって変わってきそうです。しゅんでは矛盾は排除せねばなりません。一方、スロウの場合はある程度許容範囲があると僕は理解しています。人間味を盛り込んだ文章表現が求められる雑誌だからです。 僕は矛盾の多い人間であると自覚しています。しかし、その一方では一貫している部分もある。人間は一貫性がなければ何のために生きているのか、見失ってしまうことになるのではないかと思います。矛盾を抱えながら、一貫性のある何かを持っている。矛盾があるから一貫性がない、ということにはなりません。どんなに一貫性のある生き方をしている人にも、何かしらの矛盾や破綻しかかっている論理というものがある。 そうした雑味、日本酒でいえばオリのようなものが人生を味わい深いものにしているのだと僕は考えています。したがって、文章表現や写真表現においても、そうした矛盾がほんの少し顔を出しているようなものが、僕にとっては好ましいもののように感じられます。わざと矛盾を表に出すわけではありません。隠そうと思ってもにじみ出てしまうようなもの。体裁を整えても、完全には整えきれずに不完全さがわかってしまうような表現。そのへんに興味を覚える。これはあらゆる表現、あらゆる仕事に共通していますね。完璧すぎるものには親しみを覚えることはなく、魅力を感じることはない。驚きは感じても、好ましいとは思わないものです(そう断言していいのかな?)。 ただ、気をつけねばならないことは矛盾や破綻を容認しすぎて、低レベルな仕事を量産すると、確実に評価を下げることになってしまうという点。明らかにわかる矛盾というのは避けねばなりません。よくよく考えるとちょっとおかしい。もう一度読み返してみると、部分的に論理が破綻しているように見える・・・。そんな程度の矛盾や破綻。 つまり、文章でいえば「何か引っかかるものを感じること」、写真でいえば「何か気になるものが写り込んでいること」。そうして、もう一度読み返してみたい、見直してみたいという欲求が湧いてくるようなもの。それが魅力的な文章であり、魅力的な写真であると僕は考えているのです。 人間にしても、非の打ち所のないような人とは、あまり友達になりたいという欲求は湧いてこないもの(そういう人に出会ったことはまだありませんが)。お互い矛盾に満ちていて、それでもちゃんとした生き方を目指そうと努力しているからこそ、親しみや応援したいという気持ちが湧いてくるのだと思います。 矛盾は誰もが抱えているものといえます。ちゃんとした生き方(ビジョンを持った生き方)をしようと意思決定すれば、自分の中にある矛盾や論理的破綻が浮き彫りされてくる。そのことに過度な恐怖心を抱かず、むしろ自己観照を楽しむくらいの余裕があってもよいですね。案外、自分の抱える矛盾の中に自己成長の鍵が隠されていることもあります。このあたり、本当にわからないものです。
by sogopt
| 2016-09-26 06:39
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