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高原淳プロフィール
高原 淳
1961年北海道帯広生まれ 大阪芸術大学写真学科卒 雑誌・広告を中心にフォトグラファーとして活動 2000年帯広にUターン 2001年、ソーゴー印刷(株)代表取締役就任 2004年、雑誌「northern style スロウ」創刊を機に写真活動を再開 主な写真展 1985年「COMME JE SUIS」(6人展、Gallery・DOT) 1988年「再生」以来、Gallery・DOT(京都)にて定期的に個展開催 ・2005年10月「記憶の中の風景」(Gallery・DOT) ・2006年3月「記憶の中の風景」(弘文堂画廊) ・2007年11月「記憶の中の風景」(Gallery・DOT) ・2009年8月「スロウ20号記念展」(ファインアート器野) ・2010年5月「スロウなまなざし」(Gallery・DOT) ◎月刊しゅん http://shun.tv ◎しゅんプラス http://shun-plus.com ◎northern style スロウ http://www.n-slow.com ◎クナマガ日記 http://www.n-slow.com/blog/index.php ◎ソーゴー印刷 http://www.sogo-printing.com ライフログ
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風邪の予感。一日ゆっくり過ごす。行ったのは写真セレクト作業のみ。「写真芸術」(金丸重嶺著、朝日選書)を33年ぶりに再読する。11時就寝。
僕は誰かと写真論を戦わせるということはまずありません。「写真芸術」を読むと、写真が発明されたばかりのずいぶん初期の段階から「写真は芸術か否か?」という論争があったことがわかります。僕が写真を始めたのは、ニエプスが「ル・グラの窓からの眺め」を撮影した150年後、1975年のこと。さすがに僕のまわりには「芸術か否か」という議論はありませんでした。 ただ、それに近い議論はあったように記憶しています。ストレートフォト以外認めないという人たちと、さまざまな技法を用いて表現の可能性を追求すべきだという人たち。どの世界にも議論好きな人がいるものです。僕もうっかり巻き込まれたことがあります。込み入った議論は親しい友人とのみ行うべきものだと学習しました。 社会人2年目の頃には「おまえは審美主義なのか?」と批判的に指摘されたことがありました。美を追い求めるという点ではイエスですが、僕は美の背景にあるものを追い求めているので審美主義とは異なる。そのときの議論の結末はどうなったのか、記憶には残っていません。居酒屋での議論だったからでしょう。結論が曖昧でよかったと思います。 写真が誕生して190年近くたった今、さまざまな写真表現があって当然だし、それを批判するのは奇妙なことのように僕には思えます。 2002年、僕は日創研の実践ビジネススクールを受講し、その年から10年間ほぼ毎年、全道経営発表大会と全国経営発表大会に参加するようになりました。発表者として参加すると、不思議なことに昔の議論と重なるような指摘をいただくことが度々ありました。 それは何なのかというと、「そんなきれいごとを言っていてどうする」といった指摘です。「きれいごと」が「審美主義」と重なり、本当にビックリしました。全道大会ではそうした批判はなく、なぜか決まって全国大会になると言われてしまう。 我が社の経営理念体系は、美とか調和といったものを求めています。僕は「社歴には美しさが感じられなければならない」と思っていますので、必然性のない多角化や業態転換はすべきではないという立場です。また、「自社だけ儲かればよい」という考え方は反対。地域の中で調和のとれた存在であらねばならない。そう考えています。特にめずらしい考え方ではなく、中小企業経営者としては普通でしょう。 けれども「きれいごと」的批判を受けてしまうのは、我が社の掲げる美の世界が現実離れしているかのように受け取られるからかもしれません。「現実を見ていない」と思われているのでしょう。「現実を見ればどの企業も戦っていて、ビジネスは弱肉強食なのだ」という考えが根底にあるようです。 実際、印刷でも広告でも受注競争というものがあり、我が社の営業パーソンも「勝った」「負けた」を繰り返していることでしょう。しかし、「勝つこと=打ち負かすこと」ではない。切磋琢磨してお互いの能力を高め合うことができれば、どちらも勝者なのだと考えるべきです。 20世紀から現在まで、残念ながら世界は僕らの期待しているような美しい世界に至っていないという現実があります。しかし、美しい場所や美しい人、美しい企業は数多く存在している。すでに存在しているわけですから、我が社もそのようになれるはずだし、自分の人生も美しいものにしていくことは十分可能なはず。 北海道には「美」に理解のある経営者が多いということを、僕は取材活動や異業種交流を通じて常々感じています。もしかしたら、風景やフロンティアスピリットと関係あるのかもしれません。 事業を継続させるには売上・利益が必要ですが、売上・利益が事業の目的になってしまうと、会社は美しくはならないものです。調和のとれた美しい世界をつくるために企業は存在している。そう考える経営者やビジネスパーソンが近年増えているような気がします。このあたり、もっと研究してみたいと思います。
by sogopt
| 2014-11-24 09:04
| 経営
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